シングルマザーにおすすめの仕事は?就職を成功させる5つのポイントも紹介
「シングルマザーってどんな仕事をしているのかな?」
「シングルマザーに向いてる仕事を知りたい」
このように考えてはいませんか?シングルマザーとして家庭を支えるとなれば、就職で失敗することは避けたいものです。
本記事では、働くシングルマザーの実態から、おすすめの仕事や仕事探しを成功させるポイントなどについて解説します。
子どもと笑顔で過ごせる毎日を手に入れるためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
「ぶっちゃけ、なにしている?」シングルマザーの割合が多い仕事とは?
シングルマザーとして家庭を支えているママは、どんな仕事をしているのでしょうか?
そこで厚生労働省の統計調査から、シングルマザーの仕事について実態をまとめてみました。
それぞれ解説していきます。
シングルマザーの割合が多い職種
職種 | 平成23年(単位=%) | 平成28年(単位=%) |
---|---|---|
管理的職業 |
1.5 |
2.4 |
専門的・技術的職業 |
18.1 |
20.4 |
事務 |
21.8 |
23.5 |
販売 |
9.4 |
8.4 |
サービス職業 |
23 |
22.3 |
保安職業 |
0.2 |
0.1 |
農林漁業 |
0.4 |
0.4 |
生産工程 |
8.6 |
8.6 |
輸送・機械運転 |
0.5 |
0.3 |
建設・採掘 |
0.2 |
0.1 |
運搬・清掃・包装など |
4.1 |
3.9 |
その他・不詳 |
12.2 |
9.6 |
参照:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告│厚生労働省 |
上記からわかるように、シングルマザーが最も多い職種は「事務」です。全体の23.5%が事務職に就いています。
事務職は週末や祝日が休日となる企業が多く、子どもと休日がズレにくいことから働きやすい職場と言えます。
次に多いのは「サービス職業(22.3%)」「専門的・技術的職業(20.4%)」です。
サービス業は介護・保健医療や飲食など幅広くあります。また、専門的・技術的職業は製造・開発の技術者や医師や教育者などが含まれます。
正社員・パートにおけるシングルマザーの割合
雇用形態 | 平成23年(単位=%) | 平成28年(単位=%) |
---|---|---|
正規の職員・従業員 |
39.4 |
44.2 |
派遣社員 |
4.7 |
4.6 |
パート・アルバイトなど |
47.4 |
43.8 |
会社などの役員 |
0.6 |
0.9 |
自営業 |
2.6 |
3.4 |
家族従業者 |
1.6 |
0.5 |
その他 |
3.7 |
2.5 |
不就業 |
15 |
9.4 |
参照:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告│厚生労働省 |
平成28年の統計結果を見ると、正社員として働くシングルマザーの割合が多くなっています。
一方、平成23年はパート・アルバイトの割合が正社員よりも8%多い結果でした。
平成27年に「女性活躍推進法」が成立したこともあり、少しずつ女性にとって働きやすい職場づくりがすすめられていると考えられます。
このように、シングルマザーで正社員として働く人が増えるなか、年収はどれくらいになっているのか次の章で確認してみましょう。
シングルマザーの平均年収
年収階級 | 平均年間就労収入(単位=%) | 正規の職員・従業員(単位=%) | パート・アルバイトなど(単位=%) |
---|---|---|---|
平均年間就労収入 | 214万円 | 305万円 | 133万円 |
100万円未満 |
17 |
3.9 |
30.1 |
100~200万円未満 |
37.9 |
21.9 |
52.9 |
200~300万円未満 |
23.6 |
31.4 |
14.3 |
300~400万円未満 |
11.5 |
21.5 |
2.4 |
400万円以上 |
9.9 |
21.3 |
0.4 |
参照:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告│厚生労働省 |
シングルマザーの平均年収は214万円。年収階級で一番多いのは100~200万円未満となっています。
平均年収を月給で見ると、約14.3万円(月収プラス賞与3ヶ月支給の場合)。ちなみに、雇用形態ごとの平均年収および月収は、下記の通りです。
平成28年 雇用形態ごとの平均年収および月収 |
---|
|
正社員とパート・アルバイトの月収を比較すると、その差は約9.3万円。収入だけを見ると、パートより正社員の方が安定した生活を送れそうにも思えます。
では正社員とパートには、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか
シングルマザーにおすすめな働き方は正社員・パートのどっち?
「シングルマザーは正社員とパートのどっちで働けばいいの?」
こんな疑問を解決するため、シングルマザーが正社員・パートで働くメリット・デメリットを解説します。
シングルマザーが正社員で働くメリット・デメリット
正社員で働くメリット | 正社員で働くデメリット |
---|---|
|
|
シングルマザーが正社員として働く場合の一番のメリットは、雇用・収入が安定していることです。
正社員は雇用期間が決まっていないため、安定した収入が期待できます。また家庭の都合で欠勤しても、有給休暇を利用できるため月給が減りにくいです。
一方で、家庭の都合に合わせて勤務時間を変えづらいです。場合によっては、残業が必要になるケースもあります。
企業の中には社員交流のため月に一度レクリエーションを企画する場合もあり、シングルマザーにとって負担になる恐れもあります。
シングルマザーがパートで働くメリット・デメリット
パートで働くメリット | パートで働くデメリット |
---|---|
|
|
シングルマザーがパートで働く場合、仕事と家庭のバランスを取りやすいメリットがあります。
勤務時間を選べたり残業が少なかったりするうえ、柔軟に休暇を取得しやすいからです。
たとえば、シフト制で働く小売店のレジスタッフなら、家庭の都合に合わせて勤務時間の変更や休日申請ができるケースはあります。
融通が利きやすい一方、収入が安定しにくい一面はあります。時給制のため、勤務時間が減少すれば手取りも減ってしまうからです。
ただ、子どもに手がかかる時期は家庭の都合を優先できれば、母親としての精神的な負担を軽減できるかもしれません。
シングルマザーにおすすめの仕事20選
ここで、シングルマザーにおすすめの仕事を紹介します。資格なし・ありそれぞれのケースでまとめてみました。
順番に解説していきます。
資格なしの場合におすすめの仕事10選
- 事務
- レジスタッフ
- 商品補充スタッフ
- 軽作業・製造スタッフ
- コールセンター
- 家事代行(掃除・料理など)
- 保育補助
- 飲食店スタッフ
- 給食センターの調理員
- 学校の介助員
資格なしの場合におすすめの仕事は上記の通りです。業務がある程度マニュアル化され、未経験でもチャレンジしやすい職種が中心です。
残業が少なかったり勤務時間を選ぶことができれば、子どもと休日を合わせやすく仕事が続けやすくなります。
また未経験からはじめても、経験を積むことでスキルアップを目指せるかもしれません。たとえば、給食センターの調理員の場合、2年間働くと調理師の受験資格を得られます。
このように最初は資格がなくても、少しずつ経験を重ねてキャリアアップを目指していくことも可能です。
資格ありの場合におすすめの仕事10選
- 医療事務
- 調剤薬局事務
- 介護職(ホームヘルパー・介護福祉士など)
- 歯科衛生士
- 看護師
- 保育士
- 登録販売者
- ヨガインストラクター
- アロマセラピスト
- 宅地建物取引士
資格がある場合、収入をアップしやすい傾向があります。
資格保有者しか対応できない専門的な業務を任されたり、資格手当がついたりするケースがあるからです。
たとえば歯科衛生士は、歯科医院に必要な人材であるにもかかわらず人材不足なため、時給も高くなりやすいです。
そのため、ブランクがあっても社会復帰しやすいメリットもあります。
また、現在は資格を持っていなくても、シングルマザーになってから支援制度を利用し、資格取得を目指すケースもあります。
シングルマザーが利用できる支援制度・助成金一覧
給料だけで十分な収入を得ることができれば、安定した生活への心配ごとは減ります。ですが、仕事と家庭事情の間で悩み、思うような収入の確保が難しいことはあると思います。
そんなときに知っておきたい、シングルマザーが利用できる支援制度や助成金をまとめてみました。
- 就業支援制度
- その他の支援制度・助成金など
- 養育費
では、それぞれ解説します。
1. 就業支援制度
No. | 制度 | 概要 |
---|---|---|
1 | 自立支援教育訓練給付金 | 経済的自立のため、指定の職業能力開発講座を受講後に支給される給付金 |
2 | 高等職業訓練促進給付金等事業 | 資格取得のため、修業期間中や養成機関への入学の負担軽減を目的に支給される給付金 |
就業支援制度は、就業のために必要なスキルアップを支援するための制度です。
講座の受講中や養成機関への入学時などの経済的な負担を軽減するため、給付金を受け取ることができます。
注意が必要なのは、受給には条件があることです。所得水準や取得を目指す資格の種類にも取り決めがあります。
とはいえ、収入アップしたいシングルマザーにとっては心強い制度なので、支援を受けるのであれば詳細を事前に確認しておきましょう。
相談窓口は各自治体となるため、希望する際は住所のある自治体の窓口へ相談してみてくださいね。
2. その他の支援制度・助成金など
No. | 制度 | 概要 |
---|---|---|
1 | 児童手当 | 児童を養育しているすべての家庭に支給される国の給付金 |
2 | 児童扶養手当 | 母(父)子家庭を対象に支給される国の給付金 |
3 | 母(父)子家庭の住宅手当 | 母(父)子家庭を対象に家賃を補助する市町村の給付金 |
4 | 母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度 | 配偶者のいない養育者とその児童の医療費を助成する市町村独自の制度 |
5 | こども医療費助成 | 子どもが病院などの窓口で支払う自己負担分を助成する市町村独自の制度 |
6 | 特別児童扶養手当 | 精神または身体に障害のある子どもがいる家庭に支給される国の給付金 |
7 | 障害児福祉手当 | 精神または身体に障害があるために、常時介護を必要とする子どもに支給される国の給付金 |
8 | 生活保護 | 働けない人や極端に収入が少ない人のために、最低限の生活ができるように支援する国の支援制度 |
9 | 母(父)子家庭の遺族年金 | 夫(妻)が死亡した場合に受取れる年金 |
10 | 児童育成手当 | 父(母)がいない子どもを養育している人に手当を支給する市町村独自の制度 |
11 | ひとり親控除(※) | 令和2年に新設された、親に結婚歴がない母(父)親に適用される所得控除 |
シングルマザーが受けられる支援制度や助成金には、上記があります。各制度によって、国の支援制度から市町村による制度までさまざまです。
就業支援制度と同様に、受給には条件があります。もし支援を受けたい制度があれば、自分が対象となるか確認しておきましょう。
シングルマザーは、子育てをしながら家計を支えなければなりません。子どものためと覚悟を決めるものの、心身ともに負担を感じるシーンはあるはずです。
ママが少しでも余裕を持てるよう、受けられる支援はできるだけ活用してみてくださいね。
3. 養育費
養育費は、子どもと生活をしていない一方の親が、教育や生活水準を保つために支払う費用です。
親には監護義務があるため、たとえ自己破産した場合でも養育費の支払い義務はなくならないとされています。
平成28年に厚生労働省が調査した全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、母子世帯の養育費は1世帯の平均月額43,707円と報告されています。
この養育費は、話し合いや家庭裁判所の調停などで決められます。
一方で、支払いが途中で途絶えることや養育費を受け取ったことがないシングルマザーも一定数います。
養育費を請求できる期間に明確な基準がないため、親権を持たなかった配偶者とよく話し合いを重ねておきましょう。
シングルマザーが仕事探しを成功させる7つのポイント
就職は誰でも失敗したくないものです。とくにシングルマザーは生活を支えるため、仕事選びには慎重になると思います。
そこで下記に、シングルマザーが仕事探しを成功させるポイントを7つまとめました。
- 「シングルマザーだから仕方ない」と妥協しない
- 必要な生活費・教育費などを把握しておく
- 資格を活用する
- シングルマザーや子育てに理解がある職場を選ぶ
- 病児保育に登録する
- 正規雇用を目指せる職業にチャレンジする
- 専門家の力を借りる
では、それぞれお伝えしていきます。
1. 「シングルマザーだから仕方ない」と妥協しない
まずひとつ目は、「シングルマザーだから仕方ない」と妥協しないことです。子育てしながら就職を考える自分に、どこか負い目を感じていませんか?
- 子どもの都合で欠勤が多いと嫌がられそう
- 離婚したくらいだから人間的に問題があると思われそう
このように思い込み「理想の職場なんてきっとない」と自らを追い詰めてしまうことはあると思います。
ですが、シングルマザーだからといって妥協する必要はありません。あなたの境遇に理解を示してくれる職場はあるはずです。
子どもの都合でたびたび欠勤しても理解を示してくれる職場もあります。
もし、安心して働きたいのであれば、先輩シングルマザーやママ友から情報を得るなどして、リサーチしてみてくださいね。
2. 必要な生活費・教育費などを把握しておく
必要になる生活費や養育費は、あらかじめ把握しておきたいものです。金額を明確にすることで、仕事選びの基準が見えてくるからです。
厳しいようですが、最低限として必要な生活費を得ることができなければ、生活が成り立たなくなる恐れがあります。
明確にしておきたい費用項目には、下記の例があります。
- 毎月の固定費
- 食費や生活用品など変動する生活費
- 保育所・幼稚園や学校の教育費
- 塾や受験などに必要な教育費
他にも、冠婚葬祭にかかる費用や、所有している車の維持費なども必要になるかもしれません。
このように自分の家庭に必要な費用を把握しておくだけでも、生活の心配を減らせます。
3. 資格を活用する
シングルマザーが仕事を探すうえで、資格の活用は有効です。正社員になれたり時給アップしたりする期待ができるからです。
一方で、「自分には資格がないから」とあきらめる必要はありません。求職者に対して資格取得の援助をしてくれる制度があるからです。
実際に筆者は、職業能力開発校(職業訓練校)に通い資格を取得しました。
シングルマザーだけでなく、併設された保育所に子どもを預けて学ぶ方までさまざまでした。
もちろん民間にも資格取得を支援する制度はあるので、新たに資格取得を考えてみるのもおすすめです。
4. シングルマザーや子育てに理解がある職場を選ぶ
シングルマザーとして働くことへの不安があるのなら、子育てに理解がある職場を探してみると良いです。
勤務時間や急な欠勤を理解したうえで採用を検討してくれるので、自分の事情を正直に伝えやすくなります。
出産後に筆者が就職したとき、一週間目で子どもが発熱しました。その後自分も発熱し、連続して5日間欠勤した経験があります。
回復後に泣きそうな気分で出社しましたが、社長はじめどのスタッフからも責められることなく、あたたかい雰囲気のなか勤務を続けることができました。
こんな職場に出会えれば家庭を犠牲にしなくてすむだけでなく、自分も仕事にやりがいも持てます。
女性の社会進出とともにこういった企業は続々と増えているはずなので、ぜひ求人情報をチェックしてみてくださいね。
5. 病児保育に登録する
病児保育とは |
---|
病気で集団保育ができない子どもを、病院・保育所などに付設された専用施設などで看護師等が一時的に保育すること。 |
病児保育への登録しておくこともポイントです。どうしても仕事を休めないときに心強い味方になってくれます。
もしかしたら「病気の子どもを預けてまで、仕事に行かなくちゃいけないのかな……」と悩むかもしれません。
ですが現実として、ママがひとりですべてを完璧に対応するには限界があります。また登録しているだけで、採用のハードルが下ることもあるのです。
実際の利用頻度は別としていざというときに頼れるため、シングルマザーにとって救いになってくれるはずです。
6. 正規雇用を目指せる職業にチャレンジする
正社員雇用を目指せる職業にチャレンジしてみる方法もあります。
正社員になれば長期的な雇用や収入が確保できるため、より安定した生活を送る期待ができるからです。
たとえば、子どもの手がかかるうちはパートや派遣などで子どもとの時間を優先。手が離れてきたら、正社員登用を希望する選択肢もあります。
慣れた職場で仕事を続けることができるので、環境を変えずに収入アップを目指せます。
またキャリアアップにより仕事に張り合いが出るため、長く続けやすくなります。
7. 専門家の力を借りる
人材紹介会社や転職エージェントなど、専門家の力を頼ってみるのもおすすめです。
就職のプロの視点によるアドバイスを受けることができるので、自分では想像していなかった就職先が見つかることがあります。
専門家は、シングルマザーの転職について成功実績を持っています。
そのため、今のあなたがすでに身につけているヒューマンスキルや向いている職場などについて、具体的にアドバイスをもらえるはずです。
また、必要に応じて応募先の職場環境や待遇を事前に確認してもらえることもあります。
転職時に最も気になる職場の雰囲気や人間関係は自分で調査しにくいため、キャリアの専門家の力を借りてリスクを減らしておくのは良いかもしれません。
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あらためて、ここまでの内容をまとめます。
- 正社員・パートどちらも、シングルマザーの割合は同じくらい
- スキルや資格だけでなくさまざまな制度を活用すれば、生活費の確保を目指せる
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シングルマザーが仕事を探すうえで大切なのは、自分が安心して働ける職場を見つけられるかどうかです。
シングルマザーは多くの場面でひとりで子どもの生活を支えなければならないので、職場の理解は得られた方が良いです。
子どもからすれば、自分のためにママが疲れた顔やツラそうな表情をしていたら悲しくなります。
子どもと笑顔で暮らすためにも、活用できる制度はできるだけ活用し自分にぴったり合う仕事を探してみてくださいね。
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