派遣社員は社会保険に入れる?保険の内容や加入条件や注意点を解説!

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「派遣社員は社会保険に入れる?」

自分のスタイルに合わせて柔軟に働ける派遣ですが、病気やケガなどもしものことを考えると不安になる方もいるでしょう。

条件を満たせば、派遣社員でも社会保険に加入できます。

この記事では、社会保険の内容や加入条件などを解説します。

ぜひ参考にしてください。

社会保険とは?

社会保険とは?

社会保険とは、国民の健康や安心できる暮らしを守るために設けられた仕組みです。以下の5つの保険から構成されています。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

なお、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つを「狭義の社会保険」と呼ぶこともあります。

派遣社員も条件を満たせば社会保険に入れる

派遣社員も条件を満たせば社会保険に入れる

先述の通り、派遣社員でも条件を満たせば、社会保険に加入できます。

さらに、2020年に成立した「年金制度改正法(令和2年法律第40号)」という法律により2022年以降は適用範囲がさらに拡大され、多くの派遣社員が加入できるようになります。詳しい加入条件は後述します。

社会保険に加入するメリット・デメリット

社会保険に加入するメリット・デメリット

社会保険には、メリットだけでなくデメリットもあります。社会保険に加入するメリット・デメリットをまとめました。

メリット

病気・ケガ・妊娠・出産・失業などさまざまな事態に備えやすくなります。例えば、次のような保障があります。

  • 医療サービスを低負担で受けられる
  • 将来もらえる年金が増える
  • 障害厚生年金や遺族厚生年金により、もしもの時により多くの年金がもらえる
  • ケガや育児で休んでいる間も賃金がもらえる

また、保険料の一部を会社側が払ってくれるため、自己負担が減るのが特徴です。

デメリット

給与から保険料が天引きされ、手取りの金額が少なくなってしまうのがデメリットです。

「健康保険料」「厚生年金保険料」、「雇用保険料」、「介護保険料(40歳以上)」が給与から天引きされます。

ですが、その分手厚い保障が受けられるので、安心感はあります。

5つの社会保険の内容と加入条件

5つの社会保険の内容と加入条件

次の5つが社会保険で、それぞれ内容と加入条件が異なります。

  • 医療サービスを安心して受けられる「健康保険」
  • 年金を準備する「厚生年金保険」
  • 再就職までの支えになる「雇用保険」
  • 介護サービスを利用しやすくする「介護保険」
  • 就業中のケガの治療費などを負担してくれる「労災保険」

1つずつ見ていきましょう。

医療サービスを安心して受けられる「健康保険」

健康保険に入ると国民健康保険より保障が手厚くなります。

国民健康保険でも「医療費が原則3割負担で済む」のは変わりませんが、健康保険では次のような保障が追加されメリットが多いです。

  • 出産手当がもらえる
  • 傷病手当がもらえる
  • 家族が増えても保険料が変わらない

健康保険の適用対象となる派遣会社の場合、派遣社員の加入条件は次の通りです。

一般社員の勤務時間および労働日数の4分の3以上働いている

上記が満たせなくても次の5つの条件すべてに当てはまるなら加入できます。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が88,000円以上であること
  • 学生でないこと
  • 従業員数が501名以上の会社、または労使により社会保険加入に合意した会社

2022年より「雇用期間が1年以上見込まれること」が「雇用期間が2か月を超えて見込まれること」に、「従業員数が501名以上の会社」が「従業員数が101名以上の会社」に改正されます。

保険料の支払いは会社と社員で半分ずつ負担し、給与額で金額が決まります。

ここでの給与額とは「標準報酬月額」といい、4〜6月に受け取った給与や交通費を3で割って1ヶ月あたりの平均にした値です。

なので、4〜6月だけ働きすぎてしまうと保険料が高くなりやすいため、注意しましょう。

年金を準備する「厚生年金保険」

基礎年金である国民年金に加えて、さらに多くの年金をもらえるよう準備するのが厚生年金保険です。

厚生年金で将来受け取れる年金は、主に次の3つです。

  • 65歳以上で受け取れる老齢厚生年金
  • 特定の障害をおった場合に支給される障害厚生年金
  • 亡くなった際に家族に支払われる遺族厚生年金

国民年金に厚生年金を上乗せして受け取る仕組みで、もしもの時の不安を和らげてくれます。

厚生年金保険の加入条件は、健康保険と変わりません。金額そのものは変わりますが、保険料の支払いは会社と半分ずつ負担することや、給与額で金額が決まる点も健康保険と同じです。

再就職までの支えになる「雇用保険」

失業や育児、介護で働けなくなり収入が途絶えてしまった際、頼りになるのが雇用保険で「失業保険」とも呼ばれます。

雇用保険で扱う給付の種類は多く、以下のようなものがあります。

  • 求職中に受給できる「基本手当」
  • ケガや病気で就職できない求職者が受給できる「傷病手当」
  • 育児休業中が受給できる「育児休業給付」
  • 介護休業中に受給できる「護休業給付」
  • 教育訓練受講の費用の一部を受給できる「教育訓練給付」

次の2つが加入の条件です。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

保険料の支払いは社員と会社の双方が負担しますが、社員側の負担が少ない点は健康保険との違いです。

介護サービスを利用しやすくする「介護保険」

介護保険に入っていると、介護サービスが必要になった際に少ない負担で利用できます。支援を受けるには、65歳以下では老化に起因する特定疾病による介護認定が必要です。

基本的に1割負担で訪問介護やデイサービスなどがお願いでき、住宅のバリアフリー工事の補助金も一部負担で済みます。

加入条件は次の1点のみです。

  • 40歳以上で健康保険に入っていること

保険料の支払いは派遣会社と半分ずつ負担し、給与額で金額が決まる点は健康保険・厚生年金保険と同じです。

就業中のケガの治療費などを負担してくれる「労災保険」

仕事・通勤中での病気・ケガについて治療費の負担や生活を補償してくれるのが労災保険です。

仕事中に機械で指を切った、通勤中に転倒して骨折したなどの事故は、健康保険ではなく労災保険の適用事例になります。

加入に特別な条件はなく、1日でも勤務するなら加入が義務です。

保険料は会社の全額負担なので、社員側にデメリットがないのが嬉しいです。

派遣社員の社会保険についての注意点

派遣社員の社会保険についての注意点

派遣社員が社会保険に加入する場合、次のような注意点があります。

  • 勤務先ではなく派遣会社の福利厚生が適用される
  • 退社・入社時に必要な書類の手配は自分で行う
  • 扶養内で働くかは判断が必要

それぞれの注意点を解説します。

勤務先ではなく派遣会社の福利厚生が適用される

勤務先ではなく派遣会社の福利厚生が適用される点に注意しましょう。派遣社員は派遣会社に雇用されているのであって、勤務先の社員ではないからです。

不安なく仕事に集中するためにも、派遣会社を選ぶ際には、「社会保険完備」となっているか確認しましょう。

退職・入社時に必要な書類の手配は自分で行う

派遣会社を別の会社に変える時、社会保険の手続きに必要な書類は退職・入社時に自分で行う場合があります。

退職時に「雇用保険被保険者証」「年金手帳」を受け取り、それらの書類と「マイナンバーカード」の計3点を新しい派遣会社に提出します。

なお、所属する会社が変わるため「健康保険証」も退職する会社に返却しましょう。

扶養家族がいる場合は、提出するマイナンバーカードや返却する健康保険証も家族全員分が必要です。

また、退職後すぐに働かない場合は、退職時に「離職票」「社会保険資格喪失証明書」を受け取ると雇用保険の手続きをしやすくなります。

扶養内で働くかは判断が必要

家族の扶養内で働くか扶養を外れて働くかは判断が必要です。扶養を外れてより多く稼ぐのも手です。

ちなみに、月収14万円ほどを目指すと税金や保険料を差し引いても、扶養内の時よりも手取りが増えやすいです。

派遣社員が社会保険に入るための手続き

派遣社員が社会保険に入るための手続き

社会保険は自動的に切り替わりません。

なので、まずはこれまで入っていた国民健康保険や家族の社会保険の被扶養者から脱退する手続きをしましょう。

必要な書類を揃えて派遣会社に提出すると、残りの手続きは会社側で進めてくれます。書類は次の3点です。

  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • マイナンバーカード

なお、扶養家族がいる場合は全員分のマイナンバーカードを提出しましょう。

社会保険についてよくある質問

社会保険についてよくある質問

社会保険についてよくある質問をまとめました。

  • 社会保険の加入は義務?入りたくない場合は?
  • 保険証が使えるのはいつから?
  • 派遣契約が終わったら保険はどうなるの?
  • 短期の派遣でも保険には入れる?

ぜひ参考にしてください。

社会保険の加入は義務?入りたくない場合は?

労働期間や給与などの条件を満たすと社会保険に加入する義務が生じます。

そのため、社会保険に入りたくない場合は労働時間を減らすなど勤務先と調整するようにしましょう。

保険証が使えるのはいつから?

社会保険に加入してから保険証を受け取るまでに7〜10日ほどかかり、4月など入退職する社員が多いシーズンではさらにかかることもあります。

保険証がないと医療機関での受診が全額負担になると思われがちですが、場合によっては全額負担した後で払い戻しを受けられることがあります。

保険証が届く前に受診が必要な時は、会社に相談してみてください。

派遣契約が終わったら保険はどうなるの?

派遣契約が終わると社会保険への加入条件が満たせず、退職日の翌日から被保険者でなくなります。

そのため、国民健康保険への切り替え手続きが必要です。

日本で採用されている「国民皆保険制度」により、常にどれかの医療保険に加入することになっているため、未加入の状態にはできません。

古い保険証を返納して、新しい保険証を使用するようにしてください。

条件はありますが、前職で加入していた保険を最大で2年間継続することができる「任意継続被保険者制度」も選べます。

条件は次の通りです。

  • 退職日以前に継続して2ヶ月以上加入していた
  • 退職日の翌日から20日以内に手続きをする

任意継続被保険者制度の方が保険料を安く抑えられるケースもあります。

短期の派遣でも保険には入れる?

5つの社会保険の中でもそれぞれ加入条件が異なり、主に継続して働く期間によって入れるかどうかが決まります。

次のように継続して働く期間で分けて考えましょう。

  • 30日以内
  • 1ヶ月(31日)以上
  • 1年以上

まず30日以内で働く場合は「労災保険」のみ入れます。

労災保険は日数の定めがなく、1日だけの勤務でも加入が必須だからです。この保険料は会社側の負担なので安心してください。

次に1ヶ月(31日)以上働く場合は「労災保険」と「雇用保険」に入れる可能性があります。

ただし、雇用保険の条件は「1ヶ月以上の雇用の見込みがあること」のほかに「1週間に20時間以上の労働」も必要なので、両方満たすようにしましょう。

最後は1年以上の場合です。

この場合、社会保険すべてに加入できる可能性があります。ただし、1ヶ月の場合と同様に「1週間に20時間以上の労働」も条件になります。

まとめ:保険も活用して働きましょう

まとめ:保険も活用して働きましょう

派遣社員でも条件を満たせば社会保険に加入できます。万が一の時に備えて、手厚い保障を受けながら働きたい場合、社会保険を活用するのがおすすめです。

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社会保険に加入できる派遣会社なら、万が一の時でも安心です。ぜひ、社会保険も利用しながら働きましょう。

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