派遣社員にお得な節税とは?具体的な方法や注意点をまとめて解説

派遣社員にお得な節税とは?具体的な方法や注意点をまとめて解説
派遣ノウハウ

「派遣社員にお得な節税ってあるのかな?」

「派遣社員が節税する際の注意点が知りたい」

と思っていませんか?

派遣社員は、税金の仕組みを理解することでお得な節税テクニックが使えます。たとえば控除を増やすことで、ルール内で課税所得を減らすことが可能です。

しかし、「税金のことはよく分からないし不安がある」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、派遣社員が納めるべき税金の仕組みや節税の具体的な方法について解説します。

記事の後半では「派遣社員が納税する際の注意点」も紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

派遣社員の節税とは?

派遣社員の節税とは?

派遣社員は、税や給料に関して正しく理解したうえで節税することが重要です。ここでは以下2つの内容を紹介します。

  • 派遣社員が納めるべき税金の仕組み
  • 派遣社員の給料の仕組み

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

派遣社員が納めるべき税金の仕組み

派遣社員が支払う税金には、所得税と住民税があります。まず所得税とは、1年間で稼いだ所得に対してかけられる税金で、税率は5〜45%です。

所得税は、年収を予測して支払う金額が決定します。もし欠勤などで予測より年収が少ない場合、所得税を支払い過ぎてしまうことがあります。

支払い過ぎた税金は、年末調整や確定申告の還付手続きにより還付金として受け取ることが可能です。

住民税は、居住している都道府県や市町村に支払う税金です。

住民税は前年の1月1日〜12月31日までの所得に対して課税され、納税方法には以下の2つがあります。

  • 特別徴収:給料から天引きされる
  • 普通徴収:本人に納付書が郵送される

派遣社員は、住民税を普通徴収の形で納付することが一般的です。ただし、中には住民税を特別徴収する派遣会社も存在します。

派遣社員の給料の仕組み

派遣社員の給料の仕組みは、以下の3段階です。

  1. 派遣先企業と派遣元企業で契約を結ぶ
  2. 派遣社員の正式な時給が決まる
  3. 派遣社員へ正式な時給の約7割が支払われる

派遣社員が働いた時給の残り約3割は、派遣元企業の取り分になります。

ただ、残りの約3割すべてが派遣元企業で働く従業員の給料になる訳ではありません。実際には、派遣社員の福利厚生費や教育・研修費などにも使われています。

派遣社員ができる節税の具体的な方法

派遣社員ができる節税の具体的な方法

税金は何の対策も取らないと最高額で請求されてしまいますが、少しの手間や工夫で負担を軽減することが可能です。

派遣社員ができる節税の具体的な方法は、以下の4つです。

  • ふるさと納税制度を活用する
  • 掛金が全額戻ってくる保険に加入する
  • 年末調整をおこなう
  • 確定申告をおこなう

ぜひ参考にしてみてください。

【方法1】ふるさと納税制度を活用する

ふるさと納税とは、自分のふるさとだけでなく、応援したい自治体を自由に選んで寄付できる制度です。

ふるさと納税制度を活用すると、実質2,000円の負担で寄付した金額に応じて地方の名産品がもらえます。

また、ふるさと納税制度は派遣社員ができる節税方法の1つです。具体的には、自治体に寄付をしたのち確定申告することで還付金として戻ってきます。

自分の収入でどれくらい寄付できるかの限度額は、各サイトのシミュレーションで調べることが可能です。

【方法2】掛金が全額戻ってくる保険に加入する

保険に加入すると、税金が安くなる「保険料控除」の適用となります。保険の中には、使わなかった分の保険料が戻ってくるタイプも存在します。

つまり、掛金が全額戻ってくる保険に加入していれば、保険料は実質無料で税金を安くすることが可能です。

なお、保険料控除を受ける際は、派遣会社から送られてくる年末調整の書類に保険料を記入し、保険料控除証明書と一緒に提出する必要があります。

【方法3】年末調整をおこなう

派遣社員は、年末調整を通じて余分に納めていた税金の還付を受けることが可能です。年末調整は、年末に在籍する派遣会社から書類が配布されます。

種類を受け取った派遣社員は、所定の欄へ氏名や生年月日、住所など基本情報の記入が必要です。

また、もし年末調整の時期に派遣会社の案件で稼働していない場合、個人で確定申告をおこないます。

【方法4】確定申告をおこなう

節税方法の4つ目は、確定申告をおこなうことです。確定申告では、自分で所得税を計算して国へ申告します。

その結果、払い過ぎた税金の還付を受けることが可能です。

また、確定申告することで、所得税だけでなく住民税をはじめとする他の税金額や社会保険料が決まります。

逆に確定申告をしなければ、納税漏れで脱税になる可能性があるため注意が必要です。なお、派遣社員が確定申告する際に用意すべき書類の例は、以下のようなものがあります。

【派遣社員が確定申告時に用意すべき書類の例】
源泉徴収票(勤務した全ての会社分)
確定申告書
控除に必要な書類
本人確認書類
売上や経費の証明ができるもの(領収書、レシート、銀行の預金通帳など)

確定申告の期間は、2月16日〜3月15日と毎年決まっています。添付書類の用意ができたら、申告書を管轄の税務署に提出しましょう。

なお、確定申告の方法については以下の記事でも詳しく解説していますので、関心のある方はご参照ください。

派遣社員は確定申告が必要?確定申告の方法や対象者は?

派遣社員で確定申告が必要なケースとは?

派遣社員で確定申告が必要なケースとは?

派遣社員で確定申告が必要なのは、年収の多い人だけではありません。

以下の通り、複数の会社から給与を受け取っているケースや副業での所得が多い人も対象です。

【派遣社員で確定申告が必要なケース】
・給与所得が2,000万円を超えるケース
・複数の会社から給与を受け取っていて、年末調整がおこなわれない会社の収入が20万円を超えるケース
・副業での所得が年間20万円を超えるケース

また、以下のケースは確定申告が不要であるものの、節税の観点から見ると確定申告をしたほうがお得です。

【派遣社員で確定申告を検討すべきケース】
医療費の年間合計が10万円以上、または年収の5%以上のケース
住宅ローン控除を初めて受けるケース
副収入の年間金額が20万円以下なのに源泉徴収されているケース
退職して年末調整までに再就職していないケース
再就職先の年末調整に間に合わなかったケース
寄附金控除が適用されるケース
アルバイト先などで源泉徴収されているが、年末調整がおこなわれていないケース
勤務先で生命保険料控除、出産控除などが間に合わなかったケース

これらのケースでは、確定申告によって前年払い過ぎた所得税が還付されることがあります。

派遣社員が納税する際の注意点

派遣社員が納税する際の注意点

派遣社員は、住民税の納税し忘れに注意が必要です。

住民税の納税方法には、給料から天引きされる「特別徴収」と本人に納付書が郵送される「普通徴収」があります。

多くの派遣社員は、普通徴収で住民税を納めることが一般的です。しかし、普通徴収であることを忘れていたために納税し損なうことがあります。

住民税を滞納すると「延滞税」が課せられ、税金をさらに多く支払うことになってしまいますので注意しましょう。

派遣社員の節税でよくある質問4つ

派遣社員の節税でよくある質問4つ

派遣社員の節税でよくある質問は、以下の4つです。

  • 派遣社員って源泉徴収されるの?
  • 派遣会社とは別で副業している場合はどうすればいい?
  • 1年間に複数の派遣会社で働いた場合の年末調整はどうなるの?
  • 派遣社員の交通費は課税対象になる?

それでは、ひとつずつ回答していきます。

【質問1】派遣社員って源泉徴収されるの?

派遣社員は、12月時点で派遣会社に雇われている場合、源泉徴収されます。

もし年の途中まで派遣会社で雇われていたとしても、年の途中で退職して年末調整の時期までに再就職していなければ源泉徴収されません。

また、派遣会社に源泉徴収されていても、住民税は普通徴収であることが多いです。普通徴収であることを忘れて、延滞税が発生しないように気を付けましょう。

【質問2】派遣会社とは別で副業している場合はどうすればいい?

派遣会社を含め複数の会社から給与を受け取っている場合、メインで働いている派遣会社で年末調整をおこないます。

もし年末調整がおこなわれない会社で20万円以上の収入があるときには、確定申告が必要です。

【質問3】1年間に複数の派遣会社で働いた場合の年末調整はどうなるの?

1年間に複数の派遣会社で働いていた場合、12月時点で所属している派遣会社にてまとめて年末調整がおこなわれます。

年末調整では、以下3つの書類を会社から配布されるのが一般的です。

【年末調整時に必要な書類】
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書

また、年末調整時に以下のような控除証明書を提出することで、控除額を増やせます。

【年末調整時に提出する控除証明書の例】
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書

控除額を増やすことで課税所得の金額を減らせますので、対象者は控除証明書を忘れずに提出しましょう。

【質問4】派遣社員の交通費は課税対象になる?

派遣社員における交通費の取り扱いは、派遣会社によって異なります。まず、交通費は1ヵ月あたり15万円までが非課税対象額です。

ただ、交通費を派遣社員の時給に含めている派遣会社も多く、非課税分も含めて課税されていることがあります。

上記のケースでは、派遣会社から「通勤交通費証明書」を発行してもらうことで、確定申告時に還付請求で取り返すことが可能です。

まとめ:派遣社員の節税を理解して働こう

まとめ:派遣社員の節税を理解して働こう

ここまでの記事をまとめます。

  • 派遣社員は、ふるさと納税の活用や確定申告など少しの手間や工夫で税金を軽減できる
  • 多くの派遣社員は普通徴収で住民税を納めることになるため、納税のし忘れに注意する
  • 1年間に複数の派遣会社で働いた場合の年末調整は、12月時点で所属している派遣会社でまとめておこなわれる

派遣社員は、税金について理解することでルールの範囲内で節税できます。逆に、税金を知らない人は損する可能性があるので注意が必要です。

たとえば、確定申告をしなければ納税漏れで脱税になる可能性もあります。節税について理解したうえで派遣会社で働きましょう。

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派遣社員の節税のことも理解して、新しい職場で働きましょう。

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