派遣とアルバイト6つの違いを解説!どっちがいいか迷った人の完全ガイド
「派遣社員とアルバイトどっちで働くのがよいの?」「派遣社員とアルバイトの違いが分からない」と悩んでいませんか。
派遣社員とアルバイトはどちらも自由な働き方が魅力ですが、雇用期間や給与水準など様々な面で違いがあります。
自分により合った働き方を選ぶには、派遣社員とアルバイトの違いを理解しておくのがおすすめです。
この記事では派遣社員とアルバイトについて、6つの違いをまとめました。
それぞれのメリット・デメリットや向いている人もお伝えするため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
派遣社員とアルバイトの違い6つ
派遣社員とアルバイトには、大きく以下の6つの違いがあります。
- 雇用主の違い
- 雇用期間の違い
- 職種・業種の違い
- 給与の違い
- 勤務時間
- 福利厚生
それぞれの違いを解説します。
①雇用主の違い
まず、派遣社員とアルバイトは雇用主が違います。
- 派遣社員:登録している派遣会社
- アルバイト:勤務先の会社
派遣社員の雇用主は、登録している派遣会社です。勤務先となる職場はあくまで派遣先企業となり、雇用主ではありません。
そのため、雇用主の義務となる社会保険の加入や有給休暇制度の手続きなどは、自分が所属する派遣会社へ伝えることになります。
アルバイトの場合は、勤務先の会社が雇用主です。
②雇用期間の違い
派遣社員とアルバイトの雇用期間(職場で働ける期間)には、明確な違いがあります。
- 派遣社員:制限あり
- アルバイト:制限なし
派遣社員には「一般派遣」と「紹介予定派遣」の2種類があり、どちらも雇用期間に決まりがあります。
一般派遣は、同じ職場の同じ部署で働けるのが最長3年間と法律で決められています。
その一方紹介予定派遣は、勤務先での直接雇用を視野に入れた働き方です。最長6ヶ月間の派遣期間が設けられ、派遣期間を経て双方の合意があれば、直接雇用契約を結びます。雇用契約を結んだ後は、勤務先の正社員や契約社員となるため、雇用期間に制限はありません。
なお、30日以内の勤務になる「日雇い派遣」は法律で禁止されています。
アルバイトは雇用期間に制限がなく、短期から長期まで働けます。しかし、期間制限がないからこそ急に解雇を告げられる可能性もあるのが難点です。
③職種・業種の違い
派遣社員とアルバイトは、募集職種や業種にも異なる傾向があります。
- 派遣社員:接客・サービス業などもあるが、デスクワーク求人が多めの傾向
- アルバイト:派遣社員よりはデスクワーク求人が少ない傾向
派遣社員は、正社員の一般求人と遜色がない程、様々な仕事を募集しています。
アルバイトにも事務やデスクワークなどの募集はあります。しかし、求人の規模としては飲食店や接客・サービス業が比較的多めです。
④給与の違い
派遣社員とアルバイトはどちらも時給制ですが、給与水準が異なります。
- 派遣社員:時給が高め
- アルバイト:派遣社員よりは時給が低め
基本的に派遣社員の時給は、アルバイトより高いケースが多いです。
企業が派遣社員かアルバイトを雇う場合、採用や管理にかかる業務コストが大きく変わります。
派遣社員の場合、派遣会社を通してやり取りをするため、専門的な人材をスムーズに紹介してもらうことも可能です。
また、給与面の事務処理や社会保険関係の手続きなど派遣会社に任せられる部分も多く、企業側の負担を軽減できます。
一方、アルバイトを企業が雇う場合は、採用業務や給与の支払いなどすべて自社で行わなければなりません。
派遣社員を雇う方が労力と金銭的なコストを抑えられるという点は、時給が高く設定されている一つの理由となっています。
⑤勤務時間
続いての違いは勤務時間です。以下のような違いがあります。
- 派遣社員:変動が少ない
- アルバイト:日によって変動しやすい
職場や仕事内容にもよりますが、派遣社員の場合はフルタイム求人が豊富にあります。派遣契約を交わす際、勤務時間については互いが合意しその通りに勤務します。
事務職などデスクワークであれば、勤務時間が大きく変動することは少ないです。
アルバイトもフルタイムで働くことはもちろんあります。しかし、シフト制で働くアルバイトの場合は、曜日や日程によって勤務時間数が変わることが珍しくありません。
日によって勤務時間が4時間になったり6時間になったり変動しやすいです。
安定的に働きたいなら、派遣社員がおすすめです。
⑥福利厚生
最後の違いは、福利厚生についてです。
- 派遣社員:法定福利厚生の要件を満たしやすい
- アルバイト:福利厚生が適用外になりやすい
法定福利厚生では、福利厚生を受けられる対象者の要件が定められています。失業保険などがもらえる雇用保険を例にしてみましょう。雇用保険の加入要件は、以下の通りです。
雇用保険の加入要件:1週間あたりの労働時間が20時間以上かつ、雇用される見込みが31日以上
参考:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」
派遣社員の場合、フルタイム勤務や1ヶ月以上の雇用となる求人も多く、雇用保険に加入できる可能性が高まります。
一方で、勤務時間が不安定なアルバイトをした場合、雇用保険の加入要件を満たせないことが考えられます。
また、アルバイトは契約書を提示されないケースがあり、31日以上の雇用見込みを証明しにくいのが現状です。
このような点から、派遣社員とアルバイトでは受けられる福利厚生が変わる場合があります。
派遣社員で働くメリット・デメリット
派遣社員で働くメリット・デメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- 時給が高い
- キャリアアップも可能
【デメリット】
- 同じ職場で派遣社員として働けるのは3年まで
- 交通費やボーナス支給なしの場合がある
それぞれ説明していきます。
メリット①時給が高い
時給が高い点は、派遣社員の大きなメリットです。
エン・ジャパン株式会社の調査によると、2021年12月度の派遣社員の平均時給は1,632円です。
対して、三大都市圏(関東・東海・関西)のアルバイトの平均時給は1,115円(ジョブズリサーチセンター調べ)となるため、両者を比較すると派遣社員の時給は517円も高い結果になっています。
参考:エン・ジャパン株式会社「『エン派遣』三大都市圏 募集時平均時給レポート」
ジョブズリサーチセンター「2021年12月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】」
メリット②キャリアアップも可能
派遣社員なら、専門的な職種や正社員へのキャリアアップが可能です。
2015年の労働者派遣法の改正に伴い、派遣社員に対して「キャリア形成支援制度」を実施するよう派遣会社は求められています。
キャリア形成支援制度はすべての派遣社員を対象とし、条件を満たす派遣社員には年間およそ8時間以上の教育訓練の機会が提供されます。
そのため、派遣社員での働き方にとどまらず、正社員へのキャリアアップを目指すことが可能です。
デメリット①同じ職場で派遣社員として働けるのは3年まで
メリットがある一方、派遣社員のデメリットは派遣期間に制限がある点です。
先述の通り、派遣社員は、同一事業所の同じ職場で3年以上働くことができません。3年経過後は別の部署に移動するか、勤務先を変えて新たな派遣先で勤務することになります。
詳しくは、以下の記事で解説しています。
派遣の3年ルールとは?安定して勤める抜け道も含めわかりやすく解説
デメリット②交通費やボーナス支給なしの場合がある
派遣社員の時給は高めに設定されているとお伝えしましたが、時給には交通費やボーナスを含んで設定されている場合があります。
そのため、交通費やボーナスという名目では支給がないケースも存在します。
ただし、2020年(中小企業では2021年)に同一労働同一賃金が施行され、雇用形態による不当な待遇格差は禁止されました。
もし勤務先の正社員がボーナスを受け取っているのであれば、派遣社員も同様にボーナスを受け取る資格があります。
アルバイトで働くメリット・デメリット
アルバイトとして働くメリット・デメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- 働く時間や日数を調整しやすい
- 気軽に掛け持ちできる
【デメリット】
- 時給が低め
- スキルアップがしにくい
それぞれ解説していきます。
メリット①働く時間や日数を調整しやすい
アルバイトは、自分で働く時間や日数を調整しやすいのがメリットです。
働けない日はあらかじめシフトを調整したり、暇なときに1日だけの日雇いバイトをしたりと柔軟に働けます。
扶養内で働きたい場合なども、勤務時間数を調整しやすくおすすめです。
メリット②気軽に掛け持ちできる
アルバイトは副業の制限がないため、自分の意志で気軽に掛け持ちができます。
時代とともに働き方の自由度は高まっており、複業がひとつの選択肢になっています。
デメリット①時給が低め
派遣社員に比べると、アルバイトは時給が低めです。
2021年10月時点の最低賃金では、もっとも低い地域で820円(沖縄・高知)、もっとも高い地域では1,041円(東京)となっています。
特に接客・サービス業などは最低賃金に近い金額からスタートすることが一般的に多く、時給が上がりにくいのが現状です。
デメリット②スキルアップがしにくい
アルバイトはスキルアップしにくい立場といえます。アルバイトに対するスキル研修や講座などは、まだまだ環境が整っていません。
ルーティンワークをアルバイトにさせることも多く、キャリアアップに繋がるような機会を得にくいのがデメリットです。
ここまで、派遣社員とアルバイトの違いや、それぞれのメリット・デメリットをお伝えしました。
「自分は一体どっちに向いているのだろう」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで続いては、派遣社員とアルバイトそれぞれに向いている人を紹介します。
派遣社員が向いている人
派遣社員が向いているのは、以下のような人です。
- ゆくゆくは正社員を目指したい人
- アルバイトより安定した働き方がしたい人
なぜ派遣社員に向いているのかお伝えします。
ゆくゆくは正社員を目指したい人
「ゆくゆくは正社員になりたい」と考えている人は、派遣社員を選ぶのがおすすめです。
派遣社員にはキャリア形成支援制度があるため、正社員に必要な知識・スキルを習得できるチャンスがあります。
さらに、紹介予定派遣なら、派遣期間を経た後にそのまま正社員になれる可能性があります。
アルバイトより安定した働き方がしたい人
派遣社員は、アルバイトよりも安定した働き方です。
なぜなら、派遣社員はアルバイトより給与が高い傾向であり、1ヶ月以上3年未満は同じ職場で働けるためです。
アルバイトは派遣社員のような雇用期間制限はありませんが、逆に言えば1ヶ月未満で解雇されてしまう恐れがあります。
給与と雇用期間を考えると、派遣社員の方がアルバイトより安定しています。
アルバイトが向いている人
アルバイトに向いているのは、以下のような人です。
- 短期間で辞めるかもしれない事情がある人
- プライベートの時間を長く確保したい人
アルバイトに向いている理由を解説します。
短期間で辞めるかもしれない事情がある人
今後の状況により仕事を短期間で辞める可能性がある人は、アルバイトの方が働きやすいです。
派遣社員の場合、法律により30日以内の日雇い派遣が禁止されています。そのため、派遣社員として入社したら、原則として1ヶ月以上辞めることができません。
また、派遣社員は契約により数ヶ月おきに雇用期間が定められます。急に「退職したい」と言っても、職場を困らせてしまいます。
もちろんアルバイトでも急な退職は迷惑をかけるため、早めに伝えることが大切です。しかし、状況的にはアルバイトの方が比較的柔軟に退職できます。
プライベートの時間を長く確保したい人
プライベートの時間を長めに確保したい人は、アルバイトがおすすめです。
もしフルタイムの派遣社員を選んだ場合、拘束時間や職場への移動時間を考えると、プライベートの時間は限られてしまいます。
アルバイトなら「この日は5時間のみ働く」など、自分の希望に添ってシフトを申請するなど対策がしやすいです。
派遣社員を選ぶ人が増えている
ここまで、派遣社員とアルバイトそれぞれの働き方についてお伝えしました。
派遣社員とアルバイトはそれぞれメリット・デメリットがありますが、実は労働者数のデータを見ると派遣社員を選ぶ人が増えています。
厚生労働省が2021年に発表した「非正規雇用の現状と課題」によると、2000年代に入ってから労働者数は、以下のように変化しています。
労働者数の変化 | |||
2002年 | 2020年 | 増加率 | |
派遣社員 | 43万人 | 138万人 | 約220% |
アルバイト | 336万人 | 449万人 | 約33% |
単純な労働者数だけ見ると、アルバイトの方が圧倒的に多いです。しかし、増加率を見てみると派遣社員は18年間で220%も増えています。
また、非正規の働き方を選んだ理由を多い順に並べたのが、以下となります。
- 自分の都合のよい時間に働きたいから
- 家計の補助・学費等を得たいから
- 家事・育児・介護等と両立しやすいから
- 通勤時間が短いから
- 専門的な技能等をいかせるから
非正規雇用が問題視されることもありますが、実際には非正規雇用になった理由すべてがネガティブなわけではありません。
自由な働き方や高時給を望める働き方として、派遣社員を検討するのもひとつの選択肢です。
まとめ:派遣社員とアルバイトの違いを理解して、自分に合った働き方を選ぼう
この記事では、派遣社員とアルバイトの違いについてお伝えしました。
派遣社員とアルバイトは、雇用主や雇用期間、給与水準など様々な面で違いがあります。
アルバイトは勤務時間の調整がしやすい点や、好きな仕事を気軽に掛け持ちできる点などに優れています。
派遣社員は、平均1,623円という高時給を得ながら、今後のキャリアアップも目指していける働き方です。
「ビッグアビリティ」は、安心できるサービスを提供している証明である「優良派遣社員事業者認定制度」の認定企業に選ばれています。また、優良企業への求人案件を多数取りそろえています。さらに、経験豊富なコーディネーターが誠意をもって対応します。
加えて、「有給休暇制度」や「無料の健康診断」など福利厚生も充実しており、安心して働ける環境を用意しています。また、資格取得支援など「スキルサポート」があり、将来のためのキャリアアップも目指せます。
自由な働き方のひとつの選択肢として、派遣社員をぜひ検討してみてください。登録は1分で完了します。