派遣社員の月給はいくら?手取り計算や給与アップの方法まで一気に紹介!
「派遣社員の月給はどのくらい?」
「手取りを上げる方法を知りたい!」
と思うことはありませんか?
ライフスタイルに合わせて働けて時給が高めな仕事も多い印象の派遣社員ですが、実際にいくら稼げるのか気になる人も多いでしょう。
本記事では、厚生労働省や専門の企業の調査をもとに、派遣の月給について詳しく解説します。
手取りの計算方法もお伝えするので、毎月使える金額も把握でき就業後の生活をイメージしやすくなります。
他の働き方との違いをしっかり理解し、目指すキャリアを明確にしていきましょう。
目次
派遣社員には月給制と時給制がある
派遣社員の給与形態は、以下の2つです。
- 月給制
- 時給制
迷いなく仕事を選べるように、それぞれの特徴を解説します。
月給制の特徴
月給制は、毎月の賃金を月単位で定める給与形態です。主に正社員や契約社員に適用され、労働日数や基本給、各種手当が決まっています。
月給制のメリットは、会社が定めた休日に給与が減額されない点です。週休2日制なら月8〜9日休めるところを、ゴールデンウィークで月14回休んでも同じ月給をもらえます。ただし、遅刻や欠勤による減給はあります。
とはいえ、フルタイムでの勤務が求められるので、派遣社員ならではの自由度の高さは、活かしにくいでしょう。
月給制は「収入を安定させたい」「正社員登用を前提に派遣社員になりたい」という人におすすめの給与形態です。
時給制の特徴
時給制は、1時間に対して決まった金額が支払われる給与形態であり、ほとんどの派遣社員に採用されています。
深夜労働や時間外労働、休日出勤の場合は賃金が1.25倍になるので、残業や深夜労働が多い業界なら、月給制よりも給料が増えやすいです。
さらに、週3〜4日で働ける自由度が高い求人もあります。
休みが多いほど給料が減るため月給制ほど収入が安定しませんが、条件の良い求人案件もあります。「プライベートの時間を優先させたい」と思っている人には、相性がよい給与形態です。
派遣社員の平均月給をパターン別に紹介
派遣社員の平均月給を5つのパターンに分けて紹介します。
- 契約タイプ別
- 地域別
- 年齢別
- 男女別
- 業種・職種別
当てはまる項目を確認すると、もらえる給料の目安がイメージできます。
派遣社員の平均月給①:契約タイプ別
厚生労働省の調査によると、令和元年度の派遣社員の平均月給は、以下の通りです。
- 派遣社員全般…30万円
- 無期雇用派遣…31万円
- 有期雇用派遣…25万円
※厚生労働省による労働者派遣事業報告書の集計結果で報告されている8時間あたりの派遣社員の平均賃金を参考に算出。
派遣社員の種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
派遣にも種類がある?3つの働き方の特徴とメリット・デメリットを紹介
完全週休2日制で、1日8時間を月20日間働いた場合を想定しています。
【契約タイプ別】派遣社員の平均時給・月給 | |||
---|---|---|---|
派遣社員の平均 | 無期雇用派遣 | 有期雇用派遣 | |
令和元年 | 15,234円 | 15,856円 | 12,828円 |
平成30年 | 14,888円 | 15,784円 | 12,604円 |
平成29年 | 13,831円 | 15,834円 | 12,212円 |
平成28年 | 12,624円 | 14,997円 | 11,517円 |
参考:厚生労働省労働者派遣事業報告書の集計結果 |
令和元年における無期雇用派遣の割合は30%程度なので、有期雇用派遣の方が数が多いです。
「月給が低い」と感じる方もいるかもしれませんが、以下の理由で派遣社員の未来は明るいと予想できます。
- 派遣社員の平均賃金は年々増えている
- 無期雇用派遣の割合も年々増えている
- 同一労働同一賃金により正社員との待遇差が減っている
続いて、地域や年齢の影響を見ていきましょう。
派遣社員の平均月給②:地域別
株式会社リクルートの調査を参考に、派遣社員の平均時給・月給を地域別にまとめました。
1日8時間、月20日働くとして、平均月給を計算しています。
【地域別】派遣社員の平均時給・月給 | ||
---|---|---|
地域 | 平均時給 | 平均月給 |
三大都市圏全体 | 1,735円 | 277,600円 |
関東 | 1,816円 | 290,560円 |
関西 | 1,542円 | 246,720円 |
東海 | 1,593円 | 254,880円 |
参考:2021年8月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査 |
東京を含む関東の月給が頭1つぬけて高く、関西と東海はほとんど変わりません。
また、最低賃金が高い都心部は派遣社員の月給も高くなります。
派遣社員の平均月給③:年齢別
派遣社員の年齢別のデータが見つからなかったため、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の正社員・正職員以外(派遣社員以外の雇用形態を含む)のデータを参考までにお伝えします。
【地域別】派遣社員の平均時給・月給 | |
---|---|
年齢 | 男女の月収 |
~19歳 | 17万4,100円 |
20〜24歳 | 18万3,400円 |
25〜29歳 | 20万2,400円 |
30〜34歳 | 20万7,200円 |
35〜39歳 | 21万4,300円 |
40〜44歳 | 21万1,900円 |
45〜49歳 | 21万2,800円 |
50〜54歳 | 20万9,700円 |
55〜59歳 | 21万2,200円 |
60〜64歳 | 24万1,200円 |
65〜69歳 | 21万6,800円 |
70歳〜 | 20万8,900円 |
参考:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」 |
上のデータでは、アルバイトやパートなど派遣社員以外の雇用形態も含むため、全体的な月収は低くなりがちです。
派遣社員の月給は、10代が最も安く定年前にピークになりますが、年齢による給与の差は大きくありません。
派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用は正規雇用ほど年齢を重ねても給料が上がっていません。しかし、「派遣社員は年齢に関係なくほぼ同じ賃金がもらえる」とも言えます。
なお、長期派遣でも同じ勤務先で働ける期間は最大3年と決まっており、勤続年数で給料を上げにくいからです。評価される派遣社員は、どんどん正社員登用されることも1つの要因でしょう。「年収を上げたい」と思っている人は、派遣社員からはじめて正社員へのキャリアアップも狙えます。
派遣社員の平均月給④:男女別
派遣社員の月給に男女差があるかを見ていきます。
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、派遣社員が含まれる非正規雇用と正規雇用社員の平均月給は以下です。
【男女別】非正規雇用の平均月給 | ||||
---|---|---|---|---|
非正規雇用 | 正規雇用 | |||
平均年収 | 平均月給 | 平均年収 | 平均月給 | |
男性 | 240万円 | 20万円 | 350万円 | 29万円 |
女性 | 193万円 | 16万円 | 269万円 | 22万円 |
男女差 | 47万円 | 4万円 | 81万円 | 7万円 |
参考:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」 |
非正規雇用にはアルバイトやパートも含まれているとはいえ、正社員と比べて派遣社員の給料は、男女格差が小さいと言えます。
派遣社員はライフスタイルに合わせて勤務日数を調整しやすいため、家事や育児でフルタイム勤務できない女性でも男性と同等の条件で働きやすいです。
派遣社員の平均月給⑤:業種・職種別
派遣社員の業種・職種別の平均月給を以下の表にまとめました。
月給は1日8時間、月20日働くとして計算しています。
派遣社員の平均月給(業種・職種別) | ||
---|---|---|
業種・職種 | 平均時給 | 平均月給 |
オフィスワーク系 | 1,577円 | 252,320円 |
営業・販売・サービス系 | 1,462円 | 233,920円 |
IT・技術系 | 2,203円 | 352,480円 |
クリエイティブ系 | 1,845円 | 295,200円 |
医療介護・教育系 | 1,499円 | 239,840円 |
参考:株式会社リクルート「2021年8月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査」 |
さらに、具体的な職種で比較すると、最大で約20万円の月給差がありました。
医療事務…211,520円
SE・プログラマ…408,160円
派遣社員の月給に最も影響するのは、業種・職種です。
伸びている業界で専門性の高い仕事に就くと、高い月給が狙えます。
派遣社員と他の働き方の月給を比較
続いて、派遣社員の月給を以下の働き方と比較します。
- 正社員
- パート・アルバイト
- フリーランス
順番に見ていきましょう。
正社員と派遣社員の月給を比較
正社員と派遣社員の月給を全体の平均と職種別に比べてみます。
正社員と派遣社員の月給比較 | ||
---|---|---|
正社員 | 派遣社員 | |
全体 | 36万円 | 30万円 |
IT系 | 37万円 | 35万円 |
販売/サービス系 | 27万円 | 23万円 |
参考:国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」 doda「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」 |
全体的に派遣社員より正社員の方が月給が高い結果となりました。
正社員は年齢が高いほど給料が上がりやすいことが大きな要因でしょう。
ただし、専門的な知識が求められるIT系の月給は僅差なので、スキルを磨けば派遣社員でも正社員に匹敵する給料がもらえます。
パート・アルバイトと派遣社員の月給を比較
アルバイトより派遣社員の方が月給が高いです。
アルバイトと派遣社員の月給比較 | ||
---|---|---|
アルバイト | 派遣社員 | |
時給 | 1,099円 | 1,735円 |
月給 | 175,840円 | 277,600円 |
参考:リクルートジョブズ「2021年8月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】」 リクルートジョブズ「2021年8月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】」 |
フルタイムで働くと、636円の時給差が10万円もの月給差につながります。アルバイトの自由度は高いですが、給料アップが難しい働き方です。
アルバイトを検討する前に、派遣で条件を満たす仕事がないか確認してみましょう。
フリーランスと派遣社員の月給を比較
フリーランス協会の調査によると、2020年度のフルタイムで働くフリーランスの年収は400~600万円未満の層が最も多いです。
月給にして33〜50万円となり、過去2年の調査でも正社員に劣らない報酬を得ています。
フリーランスはスキル次第で大きく稼げるうえに満足度も高い働き方です。
しかし、以下の3つの課題があり、未経験から成功するのは難しいでしょう。
- 収入が安定しない
- 仕事の受注が難しい
- 庶務が面倒
将来的に独立を考える場合でも、実績を積める派遣社員や正社員の経験は役立ちます。
派遣社員や正社員を検討するなら、「ビッグアビリティ」への相談がおすすめです。
都内を中心に好条件の求人案件を多数そろえています。正社員登用を前提とした紹介予定派遣に対応しています。
優待価格のプログラミングスクールや英会話などスキルアップサポートも充実しているので、キャリアアップしたい方は、ぜひご検討ください。
月給から手取りを計算する方法
一般的に手取りは、総支給金額の75~85%です。月給から以下の費用が引かれます。
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料
引かれる金額は所得によって異なり、細かく計算するのは骨が折れる作業です。
そのため、シンプルに月給の75%が手取りになると認識してください。
派遣社員の平均月給は30万円なので、手取りは月22〜23万円です。
派遣社員が月給アップ目指す7つの方法
派遣社員が月給アップを目指す方法は、主に以下の7つです。
- 都心部で働く
- 平均時給が高い職種を選ぶ
- 派遣会社や勤務先を比較検討する
- スキルを磨いて自分の市場価値を高める
- 正社員登用を狙う
- 派遣会社の
- 残業が多い勤務先を選ぶ
それぞれ解説します。
①都心部で働く
厚生労働省の調査によると、全国平均の307万円より都心部の平均年収が高いです。
中でも東京都はダントツでした。
平均年収トップ5 | |
---|---|
都道府県 | 平均年収 |
東京都 | 373万円 |
神奈川県 | 335万円 |
大阪府 | 320万円 |
愛知県 | 314万円 |
京都府 | 310万円 |
参考:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」 |
都心部に住むと使うお金も増えるので、余裕のある生活ができるとは限りません。しかし、求人数が豊富なため希望する職種や条件で働きやすいです。
優秀な人から刺激を受けることも多く、キャリアアップの可能性や将来の選択肢が広がります。
②平均時給が高い職種を選ぶ
職種の違いは、派遣社員の給料に差が出る大きな要因です。
株式会社リクルートの調査を参考に、稼ぎやすい職種を紹介します。
平均時給が高い職種 | |
---|---|
職種 | 平均時給 |
SE・プログラマ・ネットワークエンジニア | 2,551円 |
設計(電子・機械・建築) | 2,166円 |
運用管理・保守 | 2,164円 |
通訳・翻訳 | 1,948円 |
看護師・准看護師 | 1,945円 |
Web関連 | 1,944円 |
参考:株式会社リクルート「派遣スタッフ募集時平均時給調査」 |
IT・技術系の職種をはじめ、通訳や看護師など専門的なスキルや資格が必要な仕事は、平均時給が高いです。
③スキルを磨いて自分の市場価値を高める
派遣社員でもスキルを磨けば、正社員より高い月給を狙えます。むしろ年功序列の影響が小さい分、スキルレベルの重要度は高いです。
IT・技術系の派遣社員の平均月給は35万円ほどですが、同じ業種・職種でも実績を出せば差が出ます。
そのため、派遣社員として月給を上げたい方には、スキルアップサポートが充実した派遣会社がおすすめです。
例えば、「ビッグアビリティ」ならプログラミングやCAD、司法書士や英会話など、数多くの専門スキルが身につくスクールを優待利用できます。
④派遣会社や勤務先を比較検討する
複数の派遣会社への登録をおすすめします。より多くの求人情報が集まり、条件の良い勤務先が見つかりやすいからです。
月給の相場を正しく知るためにも、2〜3社の派遣会社に相談してみてください。
⑤正社員登用を狙う
派遣社員と比較して、正社員の平均収入は高いです。さらに、正社員は収入の安定しキャリア形成もしやすいメリットがあります。
そこで、一定期間働いてからお互いの合意のもとで正社員となる、紹介予定派遣がおすすめです。
未経験から正社員になることが難しくても、派遣社員ならチャレンジできる仕事があります。
さらに、正社員登用の前に社風が分かるので、入社後のミスマッチがほとんどありません。
また、派遣会社の協力を得ることで働く企業の選択肢が増え、就職や転職にかける労力をカットできます。
⑥派遣会社の担当者に交渉してみる
雇い主である派遣会社に給料アップの交渉をしてみましょう。契約更新までに仕事で実績を残せるとベストです。実績がない場合、資格取得や仕事の幅の広がりもアピールできます。
交渉する際は、時給51円~100円ほどの上げ幅が目安です。
エン派遣の調査によると、給料が上がった人の54%は51円~100円の時給アップに成功しています。
⑦残業が多い勤務先を選ぶ
すぐに月給を上げたいなら、残業が多い勤務先を選ぶ方法もあります。
労働基準法では「1日8時間、週40時間まで」と労働時間が定められているので、超えた分は残業扱いです。
ただし、自分の時間がなくなりストレスが溜まりやすいため、おすすめはできません。
スキルアップや正社員登用など、なるべく長期的なメリットが大きい月給アップを目指してください。
まとめ:派遣社員として経験を積んで月給をアップさせよう!
派遣社員の平均月給は30万円ほどです。契約タイプや地域によっても差が出ますが、最も影響が大きいのは業種・職種でした。
派遣社員は、年齢による月給アップが見込めない分、身につけたスキルが重要です。
したがって、十分なスキルアップサポートがある派遣会社をおすすめします。
また、正社員より派遣社員の月給は低い傾向にあるので、紹介予定派遣にも対応していればベターです。
「ビッグアビリティ」は、スキルアップサポートや紹介予定派遣以外にも、以下のメリットがあります。
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