派遣社員でも休職はOK?休暇を獲得する方法や注意点も解説

派遣社員でも休職はOK?休暇を獲得する方法や注意点も解説
派遣のお仕事のギモン

雇用契約を維持しつつも、労働義務を長期的に休めるようになるのが休職です。病気やケガや家庭の事情で働けなくなった時には、利用したい制度です。

しかし、勤務先から雇用されていない派遣社員は休職を利用できるのでしょうか?

この記事では、派遣社員が休職を活用できるのかどうかを解説していきます。また、休職以外で活用できる休暇の取得方法、注意点などについても紹介します。

ぜひ参考にしてください。

派遣社員は派遣先企業の休職制度を利用できる?

派遣社員は派遣先の休職制度を利用できる?

早速ですが、派遣社員は派遣先企業の休職制度を利用できるのでしょうか?

結論からお伝えすると、派遣社員と派遣先企業は雇用関係にないため、休職制度を利用できません。

派遣社員は雇用主である派遣会社の休職制度を利用します。

そもそも、派遣社員は人員補充のために採用されているので、長期休暇の取得はしづらいようです。派遣先企業によっては休職を認めてくれるかもしれません。しかし、一般的に休職できる可能性は低いと覚えておきましょう。

派遣会社によっては、休業できる可能性もあるので、派遣会社の担当者に相談しましょう。派遣元では休職、派遣先企業では退職扱いとなります。

なお、休業が難しい場合は、別の手段を取る必要があります。

派遣社員が休職以外で休暇を得るには有休が一般的

派遣社員が休職以外で休暇を得るには有休が一般的

それでは、派遣社員は、休職以外にどのような方法で休暇を取れるのでしょうか?

派遣社員は、派遣元となる派遣会社が規定する条件を満たした場合のみ、有休(年次有給休暇)を取得できます。

年次有給休暇とは?
労働基準法39条により規定された労働者に与えられる権利であり、取得しても給料が減らない休暇のこと。

有休を取得する具体的な条件は派遣元によって異なりますが、「半年間や1年間以上の勤務」「出勤率および出勤日数」がほとんどです。

万が一の時に備えて、年次有給休暇が取得できる派遣先を選んでおくと安心です。

なお、有休は取得できる日数が限られている点に注意しましょう。

休職するなら大事にしたいリスク管理3項目

休職するなら大事にしたいリスク管理3項目

派遣社員が休職をする場合、派遣元となる派遣会社では休職扱いとなります。しかし、派遣先の企業からは事実上の退職扱いとなるケースもあります。

ですから、休職を決断する前にはリスク管理を行った方が望ましいです。

そこで、活用したい以下3つのリスク管理を紹介します。

  • 社会保険への加入
  • 就業不能保険の利用
  • 傷病手当金の利用

それぞれ順番に解説していきます。

社会保険への加入

まず検討したいのは社会保険に加入すること。社会保険には、全部で以下の5種類が用意されています。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

なお、5種類の保険にはそれぞれの加入条件が用意されています。

保険の種類 加入条件
健康保険

介護保険

厚生年金保険

①雇用期間が2カ月or週の所定労働時間が雇用元の派遣会社に勤める正社員の4分の3以上

②以下の5つに当てはまる人

・週の所定労働時間が20時間以上

・1年以上の雇用見込みあり

・月額の賃金が88,000円以上

・会社の従業員数が501人以上

・学生以外

雇用保険 週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みあり
労災保険 条件なし

基本的には加入条件に満たしている必要があるため、加入条件を意識した働き方を心がけましょう。

就業不能保険の利用

病気やケガといった心身トラブルにより、やむを得ず働けない場合のリスク管理として、就業不能保険があります。

派遣社員が働けなくなったからと言って、翌月から住宅ローンや教育費、生活費などが免除されることはありません。

就業不能保険は、公的保障で足りない分を補うために生活費などのサポートを行う保険となります。

万が一の場合は、利用しましょう。

傷病手当金の利用

就業不能保険同様、病気や怪我により就業が困難な場合に活用できるのが傷病手当金です。

傷病手当金とは、休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設立された制度のこと。

「健康保険傷病手当金支給申請書」と呼ばれる書類が必要となります。以下の4つの条件を満たしていれば、支給されます。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間は給与の支払いがないこと

なお、美容整形などの病気と見なされないものは対象外なので注意しましょう。

ビッグアビリティ」では「協会けんぽ」と呼ばれる全国健康保険協会に加入しているため、保険制度が充実しています。

うつ病になった場合は休職できる?対処法を紹介

うつ病になった場合は休職できる?対処法を紹介

基本的には派遣社員は休職できません。しかし、もしうつ病になってしまった場合は休職できないのでしょうか?また、その後の対処法についても紹介します。

  • まず診断書を用意する
  • 派遣会社へ相談する
  • 傷病手当金が利用できないか確認する

いざという時のために、ぜひ覚えておきましょう。

まず診断書を用意する

大前提として、派遣社員が休職を懇願する場合、医師の診断書が確認できなければなりません。

そのため、まずは医師による診断書を用意します。会社としては医師による判断なしでは休職の可否を決定できないからです。

なお、診断書には以下の内容が記載されている必要があります。

  • 病名
  • 休業の必要性
  • 具体的な休養期間

病院はできるだけ早めに受診をし、休職ができないかどうかを確認するために診断書を用意しましょう。

派遣会社へ相談する

続いては、派遣会社へ相談をしましょう。

派遣社員の雇用主は派遣会社であり派遣先企業ではありません。そのため、派遣先企業ではなく、派遣会社に相談をしてみましょう。

派遣社員が休職制度を活用できるのは稀ですが、うつ病となると活用できる場合もあるかもしれません。

傷病手当金が利用できないか確認する

うつ病は、怪我や病気なわけですから、先ほど紹介した条件を満たせば傷病手当金が利用できる場合もあります。

傷病手当金が認められれば、最長で1年6か月間、給与額の3分の2程度の金額が健康保険によって支給されます。

ですから、傷病手当金の活用を検討してみましょう。

派遣社員が休職する上での注意点

派遣社員が休職するうえでの注意点

派遣社員が休職する上で、特に押さえておくべき注意点は、以下の2点です。

  • 急な申し出は派遣先に迷惑がかかるので避ける
  • 休職が終わってからは新しい派遣先企業での勤務となる

それぞれ順番に確認していきましょう。

急な申し出は派遣先に迷惑がかかるので避ける

急な休暇の申し出は派遣先に迷惑がかかります。

派遣先は、必要な人員確保のために派遣社員を採用しているため、急に休暇を申請されてしまうと欠員が出てしまいます。

また、次の人材を探すまでに時間をかける必要があります。病気やケガなどやむを得ない時を除き、事前に休職の必要が分かっている時は、できるだけ早めに申し出ましょう。

急な申請だと、受理されるのが困難になる可能性が高いので注意してください。

休職が終わってからは新しい派遣先企業での勤務となる

派遣社員が休職する際には、派遣会社では休職となりますが、今の派遣先企業では退職扱いとなります。

これは、そもそも派遣が人手不足解消のために利用されるもので、派遣社員に長期求職されると、別の人材で補填したいと考えられるからです。

そのため、休職が終わってからは新しい派遣先企業での勤務となります。担当者と相談して新しい派遣先企業を探しましょう。

なお、派遣先企業での職場環境が原因で休職していた場合、新しい派遣先企業で就労することで、快適に働ける可能性があります。

職場環境が原因で休職をしなくても済むように、自分に合った派遣先企業を選びましょう。

有休を効果的に活用するポイント

有休を効果的に活用するコツ

最後に、派遣社員が有休を活用するポイントについてお伝えします。

具体的なポイントは大きく以下の3つです。

  • ①カレンダーの休暇とうまく組み合わせる
  • ②繁忙期を考慮して取得する
  • ③前もって有休取得の旨を伝達する

有休を獲得したい場合は、しっかりと活用しましょう。

①カレンダーの休暇とうまく組み合わせる

カレンダーの休日と組み合わせて有休を取得することで、より長期間休むことができます。

例えば「土曜・日曜・月曜日」の3連休がある場合。続けて火曜日から有休を取得すれば、より長期間の休みができるようになるでしょう。

もし、病気や怪我などで休まなければならない場合は、このようにカレンダーの休暇と合わせて有休を取得すれば給料を得ながらしっかりと治療に専念できます。

②繁忙期を考慮して取得する

会社が忙しくなる繁忙期の休暇取得は、全体的に迷惑をかけてしまうため避けた方が望ましいです。

派遣先からの印象が悪くなったり、評価が下がったりと良いことはありません。派遣社員としても契約延長がされなければ安定した勤務はできず、生活にも支障をきたす可能性も十分にあります。

ですから、長期休暇を取得する場合は繁忙期に考慮して取得するようにしましょう。

③前もって有休取得の旨を伝達する

事前に派遣会社や派遣先企業に有休取得の旨を伝えておくことも重要です。派遣先企業にとって派遣社員はすぐには替えの効かない人材です。

ですから、急な有休取得は派遣先企業に影響が大きく、派遣会社としても「派遣した人材は急に休暇を取得する」といった悪いイメージを持たれたくはありません。

ですから、様々なところに迷惑がかかることを考慮し、休む必要があることが事前に分かっている場合、最低でも1ヶ月前には有給の申告をしておきましょう。

まとめ

まとめ

ここまで、派遣社員が休職を活用できるのかどうかをはじめ、休職以外で活用できる休暇の取得方法、注意点などについて解説しました。

繰り返しとなりますが、派遣社員は派遣先の休職制度を活用することはできません。派遣元の企業の休職制度を利用することになります。

派遣社員は、有休や傷病手当金、社会保険といった病気や怪我などによる対策は可能です。できるだけ保証が手厚い派遣会社を選ぶことがポイントです。

ビッグアビリティ」では、有休が以下の所定期間を勤務すると取得できます。

  • 初めて勤務を開始した人:6ヶ月間
  • 継続勤務をした人:1年間

さらに、「協会けんぽ」に加入していることにより社会保険・雇用保険といった保険制度も充実しています。

さらに、ビッグアビリティは、安心できるサービスを提供している証である「優良派遣事業者認定制度」の認定企業です。経験豊富なコーディネーターが対応するので、自分の希望の職場を見つけやすいです。

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